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防災 · 2026年7月11日 · 8分

ポータブル電源を防災でどう使う?4人家族の停電24時間【架空事例】

4人家族の停電24時間を想定し、スマホ・LED照明・扇風機などへ限られた電力をどう配分するかを具体的に試算。必要容量の考え方と安全な運用手順を整理します。

ポータブル電源を防災でどう使う?4人家族の停電24時間【架空事例】

「防災用に買ったものの、停電したら何からつなぐべきか分からない」。そんな失敗を避けるため、4人家族が夏の停電を自宅で24時間しのぐケースを組み立てました。

この記事は架空の家族によるシミュレーションです。 実在の人物・体験談ではありません。消費電力量も例示であり、実際には各機器の定格表示や取扱説明書を確認してください。

先に結論:電気は「連絡・照明・体調管理」の順で確保

停電時は、普段どおりに家電を使うのではなく、用途を絞ることが重要です。この家族は次の順番で電力を配分します。

  1. 連絡手段:家族4台のスマートフォン
  2. 夜間の安全:LEDランタン
  3. 暑さ対策:小型扇風機
  4. 情報収集・作業:ラジオとノートPC

内閣府も、停電時にスマートフォンや電子決済が使えなくなる可能性を示し、モバイルバッテリーなどの予備電源を備える考え方を紹介しています。電力だけに頼らず、乾電池式ラジオや現金も併用するのが現実的です。

参考:内閣府「それ、実は防災なんです。」

架空ケース:4人家族・夏の停電24時間

想定するのは、大人2人と小学生2人の家庭です。1000Wh級のポータブル電源が充電済みで、避難指示は出ておらず、自宅の安全が確認できている前提とします。

使う電力量を先に見積もる

計算の基本は 消費電力(W)×使用時間(h)=消費電力量(Wh) です。今回は説明用に次の数値を置きます。

用途計算例24時間の使用量
スマホ4台15Wh × 4台 × 1回60Wh
LEDランタン5W × 6時間30Wh
小型扇風機20W × 8時間160Wh
ラジオ5W × 6時間30Wh
ノートPC45W × 2時間90Wh
合計370Wh

1000Whはバッテリーの公称容量で、変換や待機でも電力を使います。このシミュレーションでは余裕を見るため、使用可能分を公称容量の80%(800Wh)と仮定します。370Whなら計算上は430Whを残せますが、実機の効率、気温、機器の動作で結果は変わります。

時間帯ごとの使い方

発生直後:つなぐ前に状況確認

まず避難情報、火災、浸水、建物の損傷を確認します。安全が確認できた後で、ポータブル電源の外観、におい、異音、発熱、水濡れがないかを見ます。異常があれば使用しません。

家族のスマホは一斉に満充電へ戻さず、連絡に必要な端末から順番に充電。低電力モードを使い、動画視聴や不要なアプリの通信を控えます。

夕方〜夜:照明を一室に集約

家族が別々の部屋にいると照明が増えます。リビングなど安全な一室に集まり、LEDランタン1台を中心に使います。足元用には乾電池式ライトも併用し、ポータブル電源は乾いた平らな床へ置いて吸排気口をふさぎません。

就寝時:扇風機は必要な時間だけ

暑い夜は小型扇風機を弱運転し、タイマーを使います。ただし、ポータブル電源があるから室温上昇へ対応できるとは限りません。体調不良の兆候がある、室内環境を安全に保てない、自治体から避難情報が出ている場合は、電力残量より避難・移動を優先します。

残量は6時間ごとに再計算する

最初の370Whという見積もりだけで24時間を乗り切れるとは限りません。家族の充電回数や扇風機の運転時間が増えれば、実際の消費量は変わります。そこで、停電発生から6時間、12時間、18時間の時点で残量を記録し、残り時間に合わせて計画を見直します。

確認時点家族で確認すること残量が想定より少ない場合
6時間後スマホ充電と照明の使用量不要な端末の充電を止める
12時間後夜間の照明・扇風機の予定使用する部屋と時間をさらに絞る
18時間後復旧情報と次の6時間の用途連絡・安全確保用の電力を優先して残す

残量表示は便利ですが、機器や使用状況によって変化します。「何%あるか」だけでなく、残り時間に必要なWhを用途別に足し直すのがポイントです。

家族で決める停電時の5つのルール

停電してから相談を始めると、同時充電や使い過ぎが起きやすくなります。平時の予行演習で、次の担当とルールを決めておきます。

  • ポータブル電源を操作する大人を決める
  • 充電したい機器は勝手につながず、用途と必要時間を共有する
  • 6時間ごとに残量と消費量を記録する
  • 本体の異音・異臭・発熱・水濡れを見つけたら使用を止める
  • 避難情報や体調変化があれば、残量に関係なく安全な場所へ移動する

紙のメモを本体の近くに保管しておけば、スマホの電池や通信を使わずに家族全員が状況を確認できます。

実際に備えるときの3つの改善点

1. 一度、自宅の機器で予行演習する

扇風機やランタンのW数を確認し、2〜3時間だけ実際につないで残量の減り方を記録します。購入前なら容量・出力の比較表で候補を絞り、用途が曖昧ならかんたん診断から始めてください。

2. 医療機器はこの一般試算に含めない

内閣府は、電力が必要な家庭用医療機器を使用している場合、予備バッテリーや代替手段を備えるよう案内しています。必要電力や継続時間を自己判断せず、機器メーカー、医療機関、自治体などと個別の計画を作ってください。

参考:内閣府「家庭における地震時等の停電対策について」

3. 安全確認を容量計算より優先する

NITEは、ポータブル電源について、リコール対象の確認、落下・衝撃、水濡れ、高温になる場所での使用・保管を避けるよう注意喚起しています。停電時でも取扱説明書に従い、異常があれば直ちに使用を中止します。

参考:NITE「災害時にも活躍する携帯発電機やポータブル電源の事故と停電復旧後の通電火災に注意!」

まとめ

4人家族の24時間停電では、家中の家電を動かすより、スマホ・LED照明・小型扇風機へ優先配分する方が残量を管理しやすくなります。今回の架空試算は370Whですが、重要なのはこの数字をそのまま使うことではなく、自宅の機器のW数と使用時間で計算し直すことです。

より長い停電を想定するなら、防災用ポータブル電源の必要容量と夏の停電で必要なWh数も合わせて確認し、電源以外の水・食料・乾電池・暑さ対策も同時に準備しましょう。

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